大澤弁護士の法律相談室

法律相談室 大澤弁護士

Q:伯父に頼まれた墓守り財産分与ない父は反対(2009年3月12日掲載)
父の兄弟の子どもは嫁いだ娘だけで、姓を継ぐ者がいません。男は私一人です。私が墓を守るべきと言う伯父は、祖父の相続を受けています。一切相続していない私の父は、財産なしに責任を負う必要はないと。皆、高齢です。兄弟間で潤滑な話し合いを促したいのですが (綾瀬市 次男の息子)

A:お墓の問題だけであれば事は簡単です。民法の八九七条には「系譜、祭具及び墳墓の所有権は前条の規定(相続)にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。」と規定されています。これは、相続に関係なく被相続人が指定すればその者に、それがない場合には慣習によってお墓や位牌などを守る者が決められるのです。この場合あなたのおじさんが、あなたが墓守りをするように指定すれば、それで決まってしまうということです。
 ところがお墓を守り、法事を主宰するには費用が掛かります。その費用は誰が出すのか。そのことをあなたのお父さんが指摘しているのだと思います。墓を守り、位牌を守っていく者に対して然るべき財産を分与しておくべきだとの意見には一定の利があるものと思われます。このことについてあなたのお父さんとおじさんは兄弟なのですから、よく話し合って決めてもらうのが良いでしょう。墓を守り、先祖の供養をしていく義務を担うわけですから、一定の財産の分与を求めるのは自然なことであり、話合いによってまとめられるものだと思われます。実際に沖縄の場合には、一定の財産を渡して、一族の男子に墓守りをしてもらう慣習があるようです。双方納得ずくで取り決めをされると良いと思います。