大澤弁護士の法律相談室

法律相談室 大澤弁護士

Q:隣の木の枝と根が張り出してきたら(2008年6月12日掲載)
隣からわが家の敷地へ木の枝が伸びてきています。毎年のことなので申し出るのも面倒。断り無しに切ってしまうと違法行為になるのでしょうか。また、花や野菜の苗を植える際、隣からはびこってきた樹木の根が邪魔をするのですが、こちらは苦情の対象にはならないものでしょうか。 (座間市 匿名希望)

A:隣の木の枝がわが家の庭に出っ張ってきているのは目障りで、自分の領分を犯すものとして切りたくなるのも人情です。しかしながら、法律は民法233条第1項に「隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる」と規定し、あくまでもその木の所有者に超越部分を切るように求めることができるとして、所有者に無断で切ることまでを認めてはいません。勝手に切れば違法ということになります。もちろん切ってくれと請求したところ、そちらで切ってくれと言われれば、同意が得られたことになりますので、切除することは可能です。これは、空中の境界線が微妙であり、またその切除に要する費用等も絡んで、隣同士で修復し難い紛争に発展する可能性があるから定められたとされています。 
 次に隣からはびこってきた樹木の根はどうでしょうか。これについても民法233条第2項に規定があります。「隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる」。これによれば、隣の木の所有者に承諾を得ることなく切除して構わないということになります。このような細かなことまで条文に明記してあることは、隣地同士の関係が、昔から難しい紛争になりやすいことから定められたと考えられております。