2018年9月13日号

 「日本列島どうなっているの?」と思うくらい次々と起こる天災。西日本豪雨、台風21号に追い打ちをかけるように平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震が起きた▼異常気象とは数十年に1回程度しか経験しないまれな現象を言うが、これだけ多発する現実を直視したい▼人は災害などに遭うと、自分に都合の悪い情報を無視する正常性バイアスという心理が働き、「自分は大丈夫」「まだ大丈夫」と思い込み、それで逃げ遅れたりするという▼「自分の身は自分で守る」。平常時は日常の暮らしが一瞬で奪われることを思い描くことは難しい。災害はいつでも「わがこと」となり得ると考え、備えを怠るなと心しておきたい。  (渡)

2018年9月6日号

 娘の学習帳に書かれた1から100までの数字のマス目が、ふと人生の年表に見えた▼98歳で大往生した祖父は、20代で戦争を経験。3歳になる娘のマスには、今後どのような文字が刻まれるのか▼立教大学浅井春夫名誉教授の論文『戦争をする国・しない国の分岐点』(2015年)には「戦後70年間、戦争をしなかったのは国連加盟国193か国のうち8か国となっている」とある。日本はその希少な国の一つ▼平成最後の夏が終わった。奇跡的な平和の中、暮らしているはずの私たちの耳に届く、異論や反論、多様性を許さない社会の息苦しいニュース。新元号を戦争の時代にしないためにも、大人の生き方が問われている。   (丸)

2018年8月30日号

 熱狂のうちに幕を閉じた夏の全国高校野球選手権。公立校として躍進し、「雑草軍団」として旋風を巻き起こした金足農業高校の大健闘もさることながら、2度目の春夏連覇という偉業を果たした大阪桐蔭高校にも賛辞を送りたい▼全国の地方予選に参加した高校数は3781校。そのうち、この夏負けない高校はたった1校しかない▼“最後の夏”という限られた時間の中で、その一球に思いを込めるひたむきさが人々の共感を生む。そこに勝者・敗者の線引きは意味を持たない▼球児たちの本気がまっすぐ伝わる高校野球。その本気が観る者の心を揺さぶり、そして動かす。そんな球児たちが眩しく見えた熱い夏、8月が終わる。   (松)

2018年8月23日号

 夏の夜に咲き、一晩でしぼむ純白の花「月下美人」。2年前に取材先でもらった花が先月、見事に大輪の花を咲かせた▼ご報告に、と取材先に伺うと「毎週紙面を楽しみにしているよ。少しは息抜きに寄りなさい」と優しい笑顔。2年越しの交流だが、家族のような言葉に心が温まる▼すてきな出会いに感謝する一方、昨今報じられるのは日本大学アメフト部など信じられない指導者の姿。教育を担うべき組織のトップが個人に与える影響をもう一度自覚してほしい▼夏の終わりが近づき、間もなく学校が始まる。子どもたちが良き出会いに恵まれ、関係を育みながら未来を紡いでいってほしいと切に願う。   (諒)

2018年8月9日号

 40度近い気温を叩き出した後に訪れた台風12号。西へ向かう異例の進路を辿り、多くの被害をもたらした▼受けた打撃は広範囲に広がっている。湯河原町周辺の海水浴場では、10軒以上の海の家が全壊したというニュースも。海はこれからが勝負時。経営者は日夜復旧作業に追われている▼地震・豪雨・台風と災害が続く日本。テレビで募金が叫ばれることは少なくなったが、爪痕は依然残されたまま▼被害の少ない土地に住んでいるからこそできることは少なくない。義援金、支援金、支援物資、ボランティア。被災地は何を求め、何を不要としているのか。互いに助け合うことで、一刻も早く穏やかな暮らしを取り戻せるよう願うばかりだ。 (巴)